高カリウム血症 病態

監修:大阪大学大学院医学系研究科
腎臓内科学 教授 猪阪 善隆 先生

高カリウム血症の病態

通常はカリウムを過剰に摂取しても、細胞外カリウム濃度の維持機構(腎臓からの排泄や細胞内への取り込み)によって、血清カリウム値は正常範囲に保たれます。つまり、これらの維持機構が正常に機能しなくなることや、カリウムの摂取量が過剰である場合などに、高カリウム血症が生じます(表)。

表:高カリウム血症の主な原因1,6,7)

[  ]内は機序

腎臓からのカリウム排泄の障害によるもの
  • ・腎障害[GFR低下、尿流量低下]
  • ・アルドステロン欠乏[カリウム排泄に関与するNa-Kポンプ、Kチャネル、Naチャネルの活性低下]
  • ・薬剤の曝露:β2遮断薬、NSAIDs、RAAS阻害薬[カリウム排泄に関与するNa-Kポンプ、Kチャネル、Naチャネルの活性低下]
細胞内外でのカリウム移動の障害によるもの[カリウムの細胞外シフト促進]
  • ・アシドーシス
  • ・インスリン欠乏
  • ・薬剤の曝露:β2遮断薬
カリウムの過剰摂取[外因性カリウム負荷]
  • ・高カリウム含有食の摂取
  • ・代用塩(KCl)の摂取
高カリウム血症を引き起こす疾患(直接的あるいは間接的に発症に関与)
  • ・慢性腎臓病[腎障害と同様の機序、代謝性アシドーシス]
  • ・糖尿病[低アルドステロン血症、代謝性アシドーシス、インスリン欠乏]
  • ・心不全[皮質集合管におけるナトリウム流量低下]

GFR:糸球体濾過量、NSAIDs:非ステロイド性抗炎症薬、RAAS阻害薬:レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系阻害薬(直接的レニン阻害薬、ACE阻害薬、ARB、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬)

引用文献

  1. 1)Hunter RW, et al. Hyperkalemia: pathophysiology, risk factors and consequences. Nephrol Dial Transplant. 2019; 34(Suppl 3): iii2-iii11.
  2. 6)De Nicola L, et al. Chronic hyperkalemia in non-dialysis CKD: controversial issues in nephrology practice. J Nephrol. 2018; 31: 653-664.
  3. 7)Kovesdy CP. Updates in hyperkalemia: Outcomes and therapeutic strategies. Rev Endocr Metab Disord. 2017; 18: 41-47.